いっぱいに手を振るのはサヨナラだからじゃなくて

深い悲しみの中、いまだ茫然自失しております。

モータースポーツに30年も触れていれば死亡事故に出くわすといった経験は、残念ながら、何度もしてきた。パッと思い出しただけでも両手の指だけでは数え切れなくなってしまった。そのたびに傷ついてもきた。だけど、こんなにも多くを奪われたような気持ちにさせられるのは、人の命に優劣などないとはいえ、本当に久しぶりだ。

富沢祥也 19歳

祥也を見ているだけでワクワクした。特に今シーズンはずっと祥也だけを見ていた、とさえ言っていい。紛れもなく世界の頂点に立てる才能の持ち主だった。でも、それ以上にその人間性が魅力的な男だった。ヴァレンティーノ・ロッシが「愛すべき男だった」と評していたが、全くその通りだと思う。グリッド上でのライダー紹介のときにはいつもカメラに向かって無邪気な笑顔でいっぱいに手を振ってくれる。そんな祥也が俺もかわいくて仕方がなかった。

でも、あんなにも手を振ってくれたのは早すぎる別れを告げるためじゃねーだろ?

ほぼ即死だったのだろう。時間からして病院でできたのは死を確認することだけだったことは容易に推測できる。まぁ、無理もない。5速全開で抜ける高速コーナーをコーナリング中にバランスを崩してバイクから落ちところをスリップストリームに入っていた後続2台に立て続けに直撃されたのだ。ただ、それでも頭には当たっていないように見えたし、今年鈴鹿で似たようなアクシデントが起きた際にはライダー2人とも大ケガを負ったとはいえ命に危機はなかったことを思い出して、今回もきっと大丈夫だと信じていたのだが…



それにしても、今Moto-GPのオフィシャルサイトのトップになっている祥也の遺影がイタイね。
左の肩越しにこちらを振り向く祥也と、左肩に刺繍された加藤大治郎のゼッケン74の2ショットは…

切なさをさらに増幅させるよ。

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