ワクワク、ドキドキのアドベンチャー ピクシー・グランパスの大冒険 2008最終章

まさか本当にこんなことになるとは…。

まだ3月の上旬だというのに、ポカポカ陽気だったあの日。会社の親睦会もマルチメトリックが出走したチューリップ賞も差し置いて見に行った開幕の京都戦。すべてはあの試合から始まったのだ。

たしかにあのとき目にしたサッカーは、これまで目にしたあらゆるチームのさまざまなサッカーの中のでも最も魅力的だった。だけど、だからといって、それが優勝争いにつながっていくものだとは到底思えなかった。シンプルなサッカーであるがゆえに封じ込める方策もまたシンプルであり、それだけでなく、優勝を勝ち取るために立ちはだかる数多くの困難を乗り越えていくには、新監督の力量はあまりにも未知数だったからだ。

だが、本当にここまできてしまった。

監督のポテンシャルはいまだに見えないままだけど、彼の持つ見えない力が働いたかのように、名古屋が負ければ他の上位チームも勝ち星を落とし、一年間名古屋が優勝戦線の中心を担ったまま、明日、2008年のJリーグはいよいよ最終節を迎える。

先日の札幌戦、前半開始わずか6分であっけなく決まったゴールシーンを眺めながら思い出したのは、開幕戦で2度、3度と決定的チャンスを外し続けた小川佳純の姿だった。今となれば「そんな頃もあったな」と思えるほど、あの頃が懐かしい。今年Jリーグに誕生した最大のニューヒーローは、1年にも満たぬ間に、大一番でいとも簡単に先制ゴールを決めてみせるまでに成長したのだ。それがとても感慨深かった。

小川だけではない。ディフェンダーに似つかわしくない落ち着いた確かなテクニックで北京五輪代表にも選ばれた吉田麻也、強靭なスタミナで完全に代えの利かない選手となった阿部翔平、攻撃も守備もすべてはこの人から始まると言っていい存在である中村直志、ハイレベルなサッカーを続ける中で30代目前となった今急成長を見せる吉村圭司、見ている誰もが幸せになれる夢のような“Vゴール”を決め続けた杉本恵太…、もちろんその他の選手たちもだが、1年間ずっと幸福を味わわせてくれたすべての選手が私は愛しくてしょうがない。

優勝が懸かった明日、彼らはいったいどんな試合を見せてくれるのだろう。

正直な話、明日の相手はどのJリーグチームと比べても、最もやりにくい相手だ。優勝争いをする中で、この相手との試合を最終節に残していることが何よりの懸念材料だった。実際、ナビスコカップの準決勝では完敗を喫している。明日もまたきっと厳しい試合になるだろう。今年1年間のピクシー・グランパスの大冒険の最後にして、最大の山場である。

大冒険の結末がどうなるのかはわからない。でも、それが良いものであると信じている。
今、私は試合に思いを馳せて、早くも身体が震えてきてしまっている。


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